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冷え症

漢方では体のエネルギーである『気』は暖める作用を持っており、『気』が届くと体が暖まると考えます。この『気』が届かないと冷えが起こります。
漢方医学では冷えそのものを全身の症状として捉え、すべての病気や症状の原因と考えています。
すなわち冷えを、病気になる前(未病(みびょう))の一つのシグナルと捉え重視しています。冷えは漢方医学の得意分野でもあります。
冷えることによって具体的にはどのような影響があるのでしょうか?
大きく分けると次の三点に集約されます。

  • 自律神経の働きが狂う
  • 血行が悪くなる
  • 免疫力が低下する

なかなか治らない疾病には、頑固な冷えが併存していることがあります。
昔から、日本人は冷え症が多いと言われています。それは、数千年前から穀類や野菜を中心とした食生活をしてきた民族であるため、肉類や乳製品を中心にした欧米人に比べると、熱効率が悪い身体構造になっていて、体温も低めで、その分外界の寒さには弱いのです。

また、女性の方が冷え症が多いと言われています。実際、現代女性の3人に1人が冷えを実感していと言われています。
理由としては、末梢にまで血液が循環するためには、血液を送り出す心臓のポンプ作用とそれを末梢にまで運ぶ筋肉運動の力が必要です。女性は男性に比べこの両者が劣っており、また、また毎月の月経にかなりのエネルギーを要します。女性ホルモンの微妙なバランスは気温やストレスの影響を受けやすいため、自律神経が狂いやすく、温度調節能力も低下しやすいのです。

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極度の冷え症の人は低血圧や月経障害、心の不安、皮膚のトラブル、アレルギーの悪化など多彩な症状を併せて訴え、身体全体の問題を引き起こします。また中高年になった時に更年期障害、骨関節疾患、泌尿器疾患などを誘発し、一生の問題となります。








冷え症は、

1)全身型;からだ全体、とくに体幹部が冷えるタイプ
2)上熱下寒型;下半身は冷えるが、上半身は 火照るタイプ
3)四肢末端型;手足末梢が冷えるタイプ

に、分類されます(三瀦による)。

それぞれ治療は、

1)茯苓四逆湯(ぶくりょうしぎゃくとう)人参湯(にんじんとう)

2)は、寒証では、五積散(ごしゃくさん)・温経湯(うんけいとう)を、瘀血体質では、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)を、気滞体質では、加味逍遥散(かみしょうようさん)・柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)を使います。

3)は、水毒体質では、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を、水毒体質でなければ、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)を使います。

冷え症の人の足湯の仕方

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  • バケツなどにくるぶしが隠れる位のお湯を入れます。
  • お湯の温度は、足を浸けた時に気持ちいい温度から、徐々にお湯を足して、我慢できるぎりぎりの熱さにします。入浴温度よりかなり高めになります。
  • 両足を8~10分ほど浸けます。
  • 途中、お湯が冷めてきたらさらに熱いお湯を足していきます。

冷え症の人の入浴の方法

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  • 足腰(みぞおちから下)を、40℃前後のぬるま湯に最低20分以上浸かって温めます。
  • お湯が冷めてきたら、追い炊きをするか、熱いお湯を足して40℃前後を保つようにします。
    *腕はお湯につけずに湯船から出してください。
    *心臓の弱い方は汗をかきすぎないようにご注意ください。


    具体的な症例は、こちら画像の説明当院の漢方著効例:冷え症・慢性の下痢  

老化防止

八味地黄丸(はちみじおうがん)ほど中年以降の年代の人にありがたい薬はありません。
一言でいえば老化予防の薬といえます。中年以降になりますと、免疫力が低下し、足腰が衰えてつまずきやすくなり、髪が薄くなり、骨も脆くなり、皮膚もカサカサしてきます。物忘れがひどくなり、白内障になります。性欲も減退し、耳鳴りや、男性では前立腺肥大症になります。 これらは、みな老化に伴うものです 。漢方ではこの状態を「腎虚(じんきょ)」(腎虚についてはこちら画像の説明田辺三菱製薬生薬学校)といいます。この腎虚に対する薬の代表が八味地黄丸なのです。老化はある程度仕方ありませんが、八味地黄丸でその速度を遅らせることはできます。
そのためには、早めに八味地黄丸の服用を開始することです。有名な漢方医の藤平健先生は、「四十過ぎたら八味地黄丸」といわれています。本当に漢方をされている先生は、この八味地黄丸を飲まれている方が多いです。実は、この私も4年以上しっかりと毎日飲んでおります。皆様もいかかですか?

腎帯について

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腰の、パンツのゴムの位置が黒ずんでいる人ってけっこういるのですが、これは『腎虚の身体ですよ』との身体からの信号の一つなんです。
海水浴で日焼けしたのだと思っている人もいますが、男性なら、日焼けしやすい背中の方が白く、腰の所だけが黒いのがはっきりわかるので違いがわかります。女性なら、古い言い方かもしれませんがビキニ型(セパレート型)の水着の人でも、日焼けしやすい背中の下方よりパンツのゴムの位置の方がずっと黒いのです。
『腎帯』と言う呼び名は、柔道の「黒帯」の様に帯状に黒くなっている事によるものとかで、本当に帯状に黒くなっています。一度自分の体をチェックしてみてください。

参考:古村和子の漢方総合療法

不老長寿の『仙薬(せんやく)』について

若さを保って、かつ不老長寿であることは、古来から万人の強い願望でした。 特に強大な権力を握った人は、その権力を使って不老長寿を手に入れようと異常なくらいの努力をしたようです。
秦の始皇帝もその一人で, 紀元前二世紀ころに強大な軍隊と高度な戦術により中国を統一しました。ほとんどの権力を手に入れた始皇帝は、自分が築づいた広大な帝国を末永く維持するために、若さを保ち、かつ不老長寿を強く願うようになりました。当時中国には、中国の人々が行かないような山奥や遠い島には仙人が住んでいて、仙人は不老長寿の『仙薬』を持っているといわれていました。
そこで始皇帝は、その『仙薬』を手に入れることができれば、自分も不老長寿でいられると考え、多くの家来を山奥や遠い島に送り、『仙薬』を手に入れてくるように命令しました。その中の一つに除福を東方の島である瀛州に派遣したという話があります。 どうも瀛州は日本のことらしく、山陰地方には除福の墓が残っているそうです。
もちろん,始皇帝の求めていた『仙薬』は手に入らなかったようです。 始皇帝は『仙薬』を探させる一方、暴政をくり返したため、官僚や民衆の反発を招き、暗殺者に狙われるようになり、ストレスがたまる一方となり、ついには 五十才で死んでしまいました。
今から考えて見ると、始皇帝が探させていた不老長寿の『仙薬』とは『有形の薬』ではなく、『無形の養生の教え』ではなかったのではないでしょうか。すなわち、『無形の養生の教え』とは、ぜいたくな食事(肉・酒など)を控え、活性酸素の除去作用を持つ粗食 (ゴマ・サツマイモ・唐辛子・ほうれんそうなど)にし、常に人に感謝し、許す気持ちをもってストレスのたまらない生活を送ることであったのではないでしょうか。


腰痛症

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腰が痛いのはつらいものです。
歩くたびに痛い。立つ時に痛い。寝て起きるときが痛い。いすに座っていると痛くなってくる。振り向くときが痛い。寝返りができない。足をまっすぐして寝られない‥‥。一口に腰痛といっても、人それぞれ、症状は違っています。当然その原因も違うわけです。
椎間板ヘルニアの事もあるでしょう。脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)もあります。ほかにも腰椎付近の様々な筋肉や関節がおかしくなって痛みの原因になっていることもあります。それぞれに違った治療法、薬があります。ただ痛み止めだけ飲んでいれば治るという簡単なものではありません(そうこうしているうちに治ってしまう元気な方もいらっしゃいますが)。

それから、注意しなくてはいけないのは、ヘルニアならヘルニアという同じ原因でもそれを抱えている人の体質という問題があります。これを無視して治療してもなかなか効かないということになりかねません。
当院の治療はその人それぞれの体質に沿った治療法を考えることからはじめます。多くの場合、特に長年我慢してきた腰痛の場合は、漢方薬をうまく使えば腰痛は楽になってきます。もちろん、西洋医学的な診断が重要ですから、一度は、整形外科で検査を受けていただく必要がありますが、悪性疾患がない場合は、「もう、しかたがない。」とあきらめずに、ぜひ一度漢方による腰痛治療を試してみてください。

  • 腰が冷えて痛む;苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)・五積散(ごしゃくさん)
  • 瘀血体質;治打撲一方(ぢだぼくいっぽう)・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
  • 腎虚;八味地黄丸(はちみじおうがん)など

便秘症

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便秘は現代医学の薬を使う場合、どのタイプの薬も便を出すだけの効能なので、初めは便は出るものの、やがて腸が疲れて効きが悪くなり、薬を増やすとさらに腸が疲れるという悪循環に陥ります。
漢方には、様々なタイプの便秘薬があります。現代医学と同じく便を出すだけのものもありますが、補助的に使いあまり中心的には使いません。漢方の一般的な便秘薬は『便を出す薬』と『他の効能のある薬』を組み合わせるのが特徴です。例えば、

  • 体に潤いがなく便秘になる人は、『便を出す薬』と『潤う薬』を、
    (例:潤腸湯(じゅんちょうとう)・麻子仁丸(ましにがん))‥ウサギのフンのようにコロコロした便は「水」の不足で起こると考えられることから、潤いを与える方剤が必要
  • 血液のめぐりが悪く便秘になる人は『便を出す薬』と『血液を巡らせる薬』を、
    (例:桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
  • 気が動かず便秘になる人は『便を出す薬』と『気を動かす薬』を、
    (例:調胃承気湯(ちょういじょうきとう)
  • 腸がけいれん状態で便秘になる人は『便を出す薬』と『腸の動きを整える薬』を 
    (例:大建中湯(だいけんちゅうとう)

と、言った具合に様々です。漢方の便秘薬を使うと腹痛がなく気持ちよく便が出せて、しかも腸が疲れず少ない薬で便が出るように変わって行きますので、患者様に喜んでいただいています。

参考:寒タイプの便秘
手足が冷えて寒がり、ときどき腹痛があり暖めると軽くなる、口は乾かない、夜間によく小便に起きるという傾向のある人の便秘です。寒タイプの人には桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)(けいしかしゃくやくだいおうとう)を使います。この漢方薬は、体を温める薬が主な成分です。処方されている薬の中でも、芍薬(しゃくやく)、甘草(かんぞう)、生姜(しょうきょう)などは腸の運動を整えて、大黄には下剤の効果があります。お腹が張って腹痛などを伴う便秘の人に効きます。

肩こり

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肩こりとは、筋肉に疲労物質がたまってこり固まった状態のことを言います。それを引き起こしている原因は、血行不良です。なんらかの原因で血流が滞ると、その部分の筋肉に栄養や酸素が行きわたらず、筋肉の活動がにぶります。すると、乳酸などの疲労物質が筋肉に蓄積し、筋肉が固まり、ますます血管を圧迫して・・・そんな具合に、どんどん血行を悪くしていく悪循環に陥ってしまいます。その原因は、「気・血・水」の停滞が、凝りやだるさを引き起こした結果生じます。原因別に整理すると次のようになります。

  • 気滞(きたい)タイプ
    特徴は、後頭部から首、肩が張って痛む・頭痛・憂うつ・ため息が多い・怒りっぽいなどの症状がみられる。ストレスが原因です。押すと痛みます。加味逍遥散(かみしょうようさん)など
  • 瘀血(おけつ)タイプ
    肩で「血」が停滞し、うっ血しておこります。特徴は、首の後ろが痛む・肩に硬いしこりがある・姿勢の悪さや外傷がきっかけになって起こることもあります。桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)など
  • 痰湿(たんしつ)タイプ
    痰湿(体内の余分な水分)が停滞し、循環を悪くして凝りを起こします。筋肉が張る・凝りを自覚するけれど、触ってみるとあまりかたくない。防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)など
  • 血虚(けっきょ)タイプ
    「血」が不足して、筋肉に潤いがなくなり、凝りを起こします。
    顔色が悪い・頭がボーッとする・筋肉は硬いけれど、凝りの自覚はない。当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)など

その他、上半身のこりで筋肉が硬くなっているときや、風邪のひきはじめにみられる肩こりには、葛根湯(かっこんとう)を、中年以降の慢性頭痛や肩こりには、釣藤散(ちょうとうさん)を使ったりします。


具体的な症例は、こちら画像の説明当院の漢方著効例:肩こり

不眠症

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「不眠」と一言でいっても、東洋学的にも原因はさまざまです。
その中でも、何かの疾患によるものを除くと、最も一般的なのが、慢性的な「肝の疲労」によるものです。
というのも、東洋医学的には肝の働きは自律神経系(交感神経と副交感神経)と関連していると考えるからです。
東洋医学的に観る「気の作用」というものが、西洋医学的には「自律神経系の働き」に相当すると考えて良いでしょう。
そう考えると、「気滞(きたい)」や「気虚(ききょ)」(画像の説明漢方体質診断 気滞・気虚体質)は、「自律神経のコントロールが悪い状態」なのです。
また、「瘀血(おけつ)」(画像の説明漢方体質診断 瘀血体質)による場合も考えられます。
前述の通り、不眠の原因の多くは肝臓の疲労によるものなので、酸棗仁湯(さんそうにんとう)抑肝散・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)のような肝臓の働きを助けたり抑えたりするような漢方薬が有効です。
また、瘀血によって寝付けないときには、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)のような瘀血を改善させる方剤が有効な場合もあります。

不眠症の場合でいうと、就寝前の過ごし方で次のような点に注意すると治療効果は向上します。

  • おなかに飲食物が入ったままだと眠りが悪くなります。
    夜9時以降の食事は避けましょう。もし夕食が遅くなってしまったら、おかゆや雑炊、よく煮たうどんなど、消化のよいものを軽くとるにとどめましょう。
  • 寝る前の風呂は、少しぬるめのお湯にゆっくり入りましょう。足が冷える人は足湯などで足を温めてから床に入るのも良いでしょう。
  • おちょこ2杯くらいのお酒は、睡眠薬代わりによいのですが、けっして度を越しませんように。
  • 就寝前に足の三陰交(さんいんこう)、三里(さんり)、手首の神門(しんもん)を左右とも指圧します。指圧は親指の先で爪あとをつけるようなつもりで押してください。


    具体的な症例は、こちら画像の説明当院の漢方著効例:不眠症

頭痛

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反復性・慢性の頭痛は、外から侵入した病因物質(「風・寒・熱・湿(痰)といった邪」)によって頭部の活動が妨げられたり、五臓の機能がおとろえ、全身の活動に必要な基本物質(「精・気・血・水」)が不足することによって、頭が十分に滋養(じよう)されなくなるために起こります。
いろいろなタイプの頭痛があり、それぞれ使う方剤が異なります。

  • 気虚(ききょ)頭痛
    疲れたときに頭痛が強くなります。過労によって、胃腸が弱くなり、食物や体の気血(きけつ)の栄養が頭部に行き届かなくなり、頭痛がおこります。息切れや倦怠感、食欲不振、下痢、軟便、便秘なども伴います。
    補中益気湯(ほちゅうえっきとう)で 胃腸を強くして、体力をつけて治します。
  • 血虚(けっきょ)頭痛
    めまいがして、頭がふらつくことの多い頭痛です。
    顔色が悪い(顔面蒼白)、動悸、不眠などの症状があり、女性では月経前後におこることもあります。生理の後半には、生理により血液が不足するために、血虚の頭痛が おこりやすいです。
    生理前半の頭痛、月経前症候群(PMS)の頭痛は、血虚頭痛にプラスして、気滞頭痛が加わっていることが多いです。
    四物湯(しもつとう)、十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)などで、身体の増血機能を強くすることで解消していきます。
  • 腎虚(じんきょ)頭痛
    痛みは強くないが、慢性化する頭痛です。
    めまい、耳鳴り、手足が冷える、足腰がだるい、力が入らない、物忘れなどの症状を伴います。一般には、年配の方の老化現象に多くみられます。
    六味丸(ろくみがん)、八味地黄丸(はちみじおうがん)、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)などを証にあわせて用います。
  • 気滞(きたい)頭痛
    ストレスが原因となります。週末のほっとしたときに、頭痛が起こることもあります。気滞頭痛は 緊張型頭痛や、女性の人では、月経前症候群(PMS)を伴う頭痛などが知られています。イライラしたり、ため息をつくことが多いです。
    「ストレスを緩和する漢方薬」や加味逍遥散(かみしょうようさん)などを服用して、ストレスを解消していきます。
    排卵時の不調や生理前の不調(PMS)にも、これらの方剤は有効です。
  • 肝火(かんか)頭痛
    片頭痛や、高血圧の人に多い頭痛です。熱感、赤ら顔、目の充血、口が苦い、口渇、難聴、便秘などの症状を伴います。
    気滞で、ストレスが長期間溜まってしまい、うまくストレスを解消できないと、気がこもってしまい、「熱」に変わってしまうのです。肝火頭痛は、したがって気滞頭痛の要因も含みますので、イライラしやすかったり、貧乏ゆすりをしたり、怒りっぽい人に多いです。わりと男性の短気な人に見られやすいです。
    釣藤散などを用いて、体の興奮状態を抑えます。
  • 痰濁(たんだく)頭痛
    水分のめぐりが悪く、頭が重く痛むものをいいます。頭痛は、しつこく長引くことがあります。めまい、胸がムカムカして悪心、嘔吐なども見られ、舌の苔は厚くなります。
    胃腸が弱い人や、水分の取りすぎによることが多く、雨の日や低気圧前線にも左右されやすいです。
    半夏白朮天麻湯、五苓散、呉茱萸湯などを用いて、水分の代謝を改善して治します。
  • 瘀血(おけつ)頭痛
    血液がドロドロしていて、血行不良となり、瘀血の症状が特徴です。肩こりを伴う緊張型頭痛に多く見られやすいです。痛みは固定痛で刺されたように激しいときもあります。
    桂枝茯苓丸などで、血液をサラサラにして 血流を改善します。


    具体的な症例は、こちら画像の説明当院の漢方著効例:頚椎性頭痛、水毒による頭痛

めまい

近年、めまいを訴える患者さんは、社会機構の複雑化、ストレスの
増加、高齢化社会の推移に伴って増加の傾向があるという報告が
あります。
めまいは西洋医学的には、平衡障害の全身的感覚とみられており、前庭迷路、視覚、四肢自己受容器からの情報が中枢神経で統御さ、れ、視器、四肢の筋肉、自律神経系に反射する体系の異常によって誘発されると言われています。
一方、漢方医学的には、めまいは「水」が体内に貯留し、偏在する病態、すなわち水毒によるものが最も多いとされており、メニエール病のような内リンパ腫はこの病態によるものとみられています。もちろん、水毒以外に血虚、気虚も関与していると考えられます。
以下に多く使われる処方を挙げてみます。

  • 苓桂朮甘湯(レイケイジュツカントウ)
    めまいのほとんどに試みる価値のある処方です。起立性のめまい、いわゆる立ちくらみや、体がぐらぐら揺れるような感覚などが起こったときによく使われます。腹部が軟弱で、尿の出も悪く、胃内に水がたまっている人が対象となり、飲みやすい薬で数日以内に効果を現すことが多いです。
  • 半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)
    胃腸虚弱者の、めまい・頭重・頭痛に用います。尿量が少なく、胃薬の六君子湯が基本となっていますので胃下垂の人や、胃内に水がたまっている人が対象となります。
  • 真武湯(シンブトウ)
    身体動揺感(ふわふわしためまい)を主とするめまいに用います。「雲の中を歩く様な」感じです。四肢が冷え、下痢しやすい。新陳代謝も衰え、倦怠感・無力感を訴えることも目標になります。
  • 当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
    妊娠中や、出産後におこっためまいにはよい適応です。冷え性で、月経不順や月経痛があような人にいいです。
  • 加味逍遙散(カミショウヨウサン)
    冷えのぼせがあり、頭痛、肩こり、月経不順を伴い、性格は神経質で、不定愁訴が多いような人に使います。
  • 釣藤散(チョウトウサン)
    肩こり、のぼせ、朝の頭重感・頭痛、眼球結膜充血、耳鳴りを伴い、高血圧気味の人に使います。脳の循環障害と思われる例に用います。
  • 黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)
    のぼせて身体動揺感を訴える例に用います。顔面紅潮し、興奮気味で、高血圧を伴っていることが多いです。
  • 五苓散(ゴレイサン)
    車酔いなどの動揺病に用います。
    具体的な症例は、こちら画像の説明当院の漢方著効例:めまい