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651.顔の湿疹の漢方治療

症例は41歳、女性です。
平成28年3月頃より、顔にニキビ様のぶつぶつが出現し、夜間にチリチリとかゆいため、近くの皮膚科を受診したところ、ステロイドを処方され、1度塗ったところよくなったが、その後赤く腫れあがったそうです。
そこで今度は、ヒルドイド軟膏とビタミン剤を処方されたそうですが、それも無効で、「もう何も塗るな。」といわれたそうで、平成29年1月19日当院を受診されました。
身長158.0cm、体重51kg、BMI20.4。
他の症状として、顔がむくむ・頭痛・肩こり・手足があれる・のぼせる・めまい・青あざができやすい・生理前にふらふらとめまいがしたり、嘔吐するなどがあります。
この方の舌を見ると、色が紫がかり、舌の裏側の静脈が膨れ、枝分かれし、「瘀血」(おけつ)体質を認めました。
温清飲(うんせいいん;症例605参照)桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん;症例67参照)を合わせて処方したところ、2月20日に来られ、「顔のぶつぶつもほとんど消えて、きれいになりました。生理前の体調不良もなくなりました。」といわれました。

類似症例については、症例605、632も参照下さい。

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652.冷え・便秘・肌荒れ・肩こりの漢方治療

症例は41歳、女性です。
上記症状の改善を求めて平成28年11月15日当院を受診されました。
身長164.0cm、体重52kg、BMI20.4。
他の症状として、胸やけ・腹が鳴る・口内炎ができやすい・口の中が苦い・めまい・立ちくらみ・手足の冷え(若い時しもやけができていた)・生理不順(少ない、短い)・痔などがあります。
この方の舌を見ると、腫れぼったく、色が紫がかり、舌の裏側の静脈が膨れ、枝分かれし、「瘀血(おけつ)」体質を認めました。
手足の冷えに当帰四逆加呉茱萸生姜湯 (とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう;症例92参照) と体を温めるブシ末 を胸やけなどの胃の不調に茯苓飲(ぶくりょういん;症例463参照 合わせて1ヶ月分だしたところ、12月14日に来られ、「過食で、甘いものがやめれません。」といわれましたので、茯苓飲を中止し、むくみ・便秘・肌荒れ・肩こり・冷えに九味檳榔湯(くみびんろうとう;症例150、345、346、348、349、406、422、476、581、638参照)を処方したところ、平成29年1月10日に来られ、「便通もだいぶ良くなり、体調もいいです。ただ肌荒れが気になります。」といわれましたので、眠前に桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん;症例67参照)を追加したところ、2月20日に来られ、「肌の調子がとてもいいです。他の症状も落ち着いています。」といわれました。

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653.生理前の体調不良の漢方治療

症例は40歳、女性です。
毎年、花粉症に麻黄附子細辛湯(まおうぶし さいしんとう;症例49参照)を処方しています。
今年も平成29年2月18日に取りに来られましたが、その時に、「生理1週間前が体がしんどく、また肩凝り・頭痛もひどくなります。」といわれました。
この方の舌を見ると、腫れぼったく、色が紫がかり、舌の裏側の静脈が膨れ、枝分かれし、「瘀血(おけつ)」体質を認めました。
麻黄附子細辛湯と桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん;症例67参照)を合わせて処方したところ、3月22日に来られ、「しんどさがとれ、とても体調がよくなりました。」といわれました。

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654.成長痛の漢方治療

次の症例は症例460の方(8歳8ヶ月;女児)です。
その後ずっと安定していましたが、平成29年2月21日、薬を取りに来られた時にお母さんが、「小さい時から手足がよく痛いといいます。週1回ぐらいで、月曜の夕方から出ることが多いです。痛みで夜が寝られず、寝たとしてもすぐ目が覚め、私が夜中にさすってやります。」といわれましたので、今までの甘麦大棗湯に加えて、成長痛によく使う(下記参照)柴胡桂枝湯(さいこけいしとう;症例39、66、152、155、363、432、484、551参照)を合わせて処方したところ、3月16日に来られ、「痛みをあまりいわなくなりました。」とお母さんがいわれました。

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成長痛については、こちらをクリック画像の説明ヘルスケア大学


成長痛と柴胡桂枝湯

成長痛の第一選択薬は、柴胡桂枝湯です。
亡くなられた広瀬滋之先生が、「証を考慮しなくてもよく効く処方として、成長痛に柴胡桂枝湯と桂枝加朮附湯を挙げられていますし、第41回日本東洋医学会東海支部学術総会でも、『柴胡桂枝湯が有効であった右膝のオスグッド病(成長痛)の一症例;古橋健彦(神谷医院)』の発表があります。


655.不妊症の漢方治療

症例は35歳、女性です。
結婚4年目になります。3年前に婦人科を受診したところ、「排卵がうまくできていないので、タイミング療法(下記参照)しかない。」といわれています。
生理も不順なため(月に2回来たり、今回は13週あいたりする。)、知人の紹介で、平成28年8月31日、姫路市より受診されました。
他の症状として、肩こり・風邪をひきやすい・疲れやすい・手足のしびれなどがあります。
身長158.5cm、体重47.0kg、BMI18.7とやせぎみです。
この方の舌を見ると、腫れぼったく、歯痕舌を認め、「気虚」体質と考えられました。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん;症例14、158、241、249、254、265、330、338、339、387、400、401、423、452、488、495、497、508、518、531、552、566、567、575、600、608、649)補中益気湯(ほちゅうえっきとう;症例15、166、267、285、328、370、407、410、413、425、442、449、465、476、511、512、551、583、604、625、648参照)と強壮・強精作用のあるコウジン末(;症例449参照)を合わせて一ヶ月分処方したところ、9月30日に来られ、「生理は8/27~9/1、9/8~9/13、9/25~9/30の3回ありました。疲れやすいのは少しましです。」といわれました。10月27日に来られた時には、「生理は10/10~10/15の1回でした。疲れもましです。」といわれました。11月28日に来られた時には、「今回は生理が来ませんでした。念のため婦人科受診してエコー検査をしてもらいましたが、異常なしでした。体温は少し上昇しています。」といわれました。平成29年1月13日に来られた時には、「生理は12/22~12/26の1回でした。体調はいいです。」といわれました。
そして、3月16日に来られた時に、「妊娠しました(7週)。最終月経は1/19です。」といわれました。
3月29日に来られた時には、「順調ですが、便秘気味です。」といわれましたので、大建中湯(だいけんちゅうとう;症例44、123、396、499、585、620参照)を追加したところ、4月19日に来られ、「便通もいいです。」といわれました。

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タイミング療法については、こちらをクリック画像の説明子宝ねっと


656.おでこ中心のにきびとしもやけの漢方治療

次の症例は症例574の方(15歳;女性)です。
そのまま同処方を続けられて、平成29年3月13日に来られた時に、「今年は寒かったのに、しもやけは全くできませんでした。下痢もなく、にきびも出ません。」といわれました。
しもやけといえば、当帰四逆加呉茱萸生姜湯です(症例93参照)が、十味敗毒湯が効くのは初めての経験でした。
このまま続けていただく予定です。

漢方がお役に立ててよかったです。

657.肩こり・頭痛の漢方治療

症例は53歳、男性です。
肩こり・頭痛の漢方治療を求めて、知人の紹介で、平成29年2月23日、加古川市より受診されました。
他の症状として、下痢しやすい・のどが痞える・口内炎ができる・頻尿・汗をかきやすい・風邪をひきやすい・体がだるい・疲れやすい・のぼせやすい・動悸がする・手足の冷え・気分が沈むなどがあります。
身長172cm、体重76kg、BMI25.7とやや肥満気味です。
この方の舌を見ると、腫れぼったく、歯痕舌を認め、「気虚」体質と考えられました。
茯苓飲合半夏厚朴湯(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう;症例50、402、432、440、463、515、542、550、555、558、565、577、585、594、599、602、603、626、638参照)葛根加朮附湯(かっこんかじゅつぶとう;症例12参照)を合わせて一ヶ月分処方したところ、3月17日に来られ、「薬を1包飲んだらスーと血が流れるような感じがして、首が締まるような感じや肩こりの症状がとれました。」といわれました。

漢方がお役に立ててよかったです。

658.腰痛・右坐骨神経痛の漢方治療

症例は68歳、女性です。
半年前より、腰痛・右坐骨神経痛(腰から大腿部にかけての痛み)があり、知人の紹介で、平成29年1月27日、受診されました。
他の症状として、便秘・夜間頻尿・頭痛・肩こり・体がだるい・疲れやすい・足があつくなり、外へ出さないとおれない(症例530と下記参照)・夜中に目が覚める・ねつきが悪いなどがあります。
身長172cm、体重76kg、BMI31.2と肥満を認めます。
八味地黄丸(はちみじおうがん;症例42、58参照)疎経活血湯(そけいかっけつとう;症例1参照)を合わせたところ、2月25日に来られた時には、「あまり変化ありません。」といわれました。さらに続けたところ、3月29日に来られ、「今まで一日中痛んでいたのが、朝起床時に少し痛むだけになりました。足のほてりもおさまりました。」といわれました。

八味地黄丸証では、下半身の症状が多く現れます。
排尿異常があり、下半身が冷えます。寒がりなのに足の裏はほてるので、布団から足の裏を出さないと眠れません。
また腰以下のしびれや痛み、下腹部の知覚鈍麻や腹力の低下もあります。
その他、口の乾き・足のむくみ・精力減退・かすみ目や・咳痰もち・耳が遠いなど、高齢になると出現しやすくなる症状が多いです。

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三潴忠道先生によると、
手のひら(手掌)のほてり…温経湯
足の裏(足蹠)のほてり…八味地黄丸
両方(掌蹠)のほてり…三物黄芩湯、小柴胡湯、小建中湯、茯苓四逆湯

だそうです。


659.頸椎ヘルニアの漢方治療

症例は57歳、女性です。
頸椎ヘルニアのため、右手の第2・3指のしびれや痛みがあるため、平成28年10月11日、姫路市より漢方治療を求めて受診されました。
他の症状として、足がむくむ・肩こり・体がだるい・疲れやすい・耳鳴り・めまい・手足の冷え・青あざができやすいなどがあります。
身長155cm、体重50kg、BMI20.8。
この方の舌を見ると、腫れぼったく、歯痕舌を認め、「気虚」体質と考えられました。また色が紫がかり、舌の裏側の静脈が膨れ、枝分かれし、「瘀血(おけつ)」体質を認めました。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう;症例15、166、267、285、328、370、407、410、413、425、442、449、465、476、511、512、551、583、604、625、648、655参照)疎経活血湯(そけいかっけつとう;症例1参照)と体を温めるブシ末 を合わせたところ、11月10日に来られ、「しびれや痛みはずいぶんましです。体のだるさや疲れやすさもましです。めまいもでません。」といわれました。そのまま続けたところ、平成29年1月23日に来られ、「疲れた時や、朝に少ししびれるくらいです。調子がいいので1日1回にしてもいいですか。」といわれました。

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本症例では、右手の第2・3指のしびれや痛みがあるので、下の図からするとC7(第7神経根)が圧迫されていると推定できます。

画像の説明
図出展;blog-imgs-67.fc2.com/m/e/d/medicaldataarchive/20140516223626581.jpg

660.二人目不妊の漢方治療

症例は34歳、女性です。
平成27年3月に第1子を出産してから、2人目ができないため、平成28年10月24日、赤穂市より漢方治療を求めて受診されました。
他の症状として、軟便・胃がもたれる・頭痛・肩こり・にきび・イライラする・腰痛・手足の冷え・夜中に目が覚める・生理周期が短い・生理痛・だらだら出血するなどがあります。
身長155cm、体重50kg、BMI20.8。
この方の舌を見ると、腫れぼったく、歯痕舌を認め、「気虚」体質と考えられました。また色が紫がかり、舌の裏側の静脈が膨れ、枝分かれし、「瘀血(おけつ)」体質を認めました。
六君子湯(りっくんしとう;症例97参照)加味逍遥散(かみしょうようさん;症例141参照)を合わせて処方したところ、11月22日に来られ、「生理周期が少し伸び、生理も3~4日で終わりました。胃もたれも軟便も治りました。」といわれました。12月17日に来られた時には、「今回は基礎体温があがりませんでした。」といわれましたが、平成29年2月24日に来られた時に、「1月末に妊娠しました。」といわれましたので、漢方薬を当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん;症例14参照)に切り替えさせていただきました。

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気虚の人の生理の特徴

「気」の機能の一つに、「血」など人体に必要なものが体外に漏れ出ないようにコントロールする働き(固摂作用)がありますが、気虚になるとこの力が弱まり、出血しやすくなります。
だらだらと生理が8日以上続き、そのため終わったと思ったら、すぐ次の生理が来ます。このため生理周期が早まります。


二人目不妊については、こちらをクリック画像の説明ASKAレディースクリニック


661. 小児の腹痛の漢方治療

次の症例は10歳、女児です。
最近頻繁に腹が痛み、1週間前に近くの小児科クリニックを受診したところ、整腸剤を処方されましたが全くおさまらないため、今度は総合病院の小児科も受診されましたが、整腸剤に胃薬を追加して処方されただけで、やはり全くおさまらないため、平成29年3月7日来院されました。
舌診では特に異常を認めず、 腹診では腹直筋緊張(;症例279参照)を認めました。
小建中湯(しょうけんちゅうとう;症例26、29、145、190、192参照)を一か月分処方したところ、4月10日に来られ、「漢方薬はとても飲みやすかったです。痛みも全然ましになりました。」といわれました。

しばらく続けていく予定です。

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同じような症例を症例186、321に載せております。

662. 起立性調節障害の漢方治療

症例は14歳男性です。
中学校1年生の後半より、朝に吐き気と頭痛がして学校に行けなくなり、中学校2年生の時にはほとんど学校に行けなかったそうです。
近医で起立性調節障害と診断され、メトリジン(ミドドリン塩酸塩)2mgを処方されましたが、全く効かないため、服薬をやめたそうです。
平成29年2月10日、知人の紹介で漢方治療を求めて、たつの市から当院へ来院されました。
症状は多彩で、胸やけ・腹痛・・口内炎ができる・食欲不振・鼻づまり・体がだるい・疲れやすい・風邪をひきやすい・のぼせやすい・めまい・立ちくらみ・手足の冷え・気分が沈む・寝つきが悪いなどがあります。
この方の舌を見ると、厚くはれぼったい感じがし、また両側の舌の縁に、歯型が波打つようについていました(歯痕舌(しこんぜつ))。
六君子湯(りっくんしとう;症例97参照)五苓散(ごれいさん;症例196参照)を合わせて一ヶ月分処方したところ、3月17日に来られ、「学校に毎日行けました。胃腸も調子いいです。」といわれました。さらに続けたところ4月21日に来られ、「高校生になりましたが、毎日学校に行けてます。もっと早く来ていればよかったです。」とお母さんがいわれました。

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663. 胃痛・背部痛の漢方治療

症例は54歳、女性です。
平成27年12月ヘリコバクターピロリ菌の除菌療法を受けてから、左臍部から左背部にかけての痛みが時々あり、便も軟便が続くため漢方治療を求めて、宍粟市から当院へ来院されました。
症状は多彩で、胸やけ・げっぷ・胃もたれ・みぞおちが痞える・口の中が苦い・口が渇く・肩こり・疲れやすい・のぼせやすい・動悸・腰痛・手がほてる・気分が沈む・寝つきが悪い・眠りが浅い・夜中に目が覚めるなどがあります。
この方の舌を見ると、辺縁が分厚く赤く(この赤みは肝の熱を表しています)、中央に白色の苔を認め、「気滞」体質を認めました。
茯苓飲合半夏厚朴湯(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう;症例50、402、432、440、463、515、542、550、555、558、565、577、585、594、599、602、603、626、638、657参照)柴胡桂枝湯(さいこけいしとう;症例39、66、152、155、363、432、484、551、654参照)を合わせて処方したところ、3月14日に来られ、「不眠と軟便はなくなりました。ただ痛みは変わりません。」といわれました。
柴胡桂枝湯を四逆散(しぎゃくさん;症例63参照)に変えたところ、4月21日に来られ、「痛みも消え、体調がよくなりました。」といわれました。

漢方がお役に立ててよかったです。
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