薬の上手な使い方

飲み薬の飲ませ方

食後はおなかがいっぱいで飲めなかったり、食べた物といっしょに吐いたりすることがあります。特別に指示が無いかぎりは、空腹時に飲ませて下さい。

特に、嘔吐・下痢などの胃腸症状の強いお子さんは、腸の働きが弱っていることが多いので、服薬後30分くらいは食事を控えた方が良いこともあります。

赤ちゃんの場合は

哺乳ビンが使える赤ちゃんは、シロップ剤を哺乳びんの乳首(ニップルの穴は少し大きくしておいた方がよい)に入れて吸引させ、その後、白湯(さゆ)や番茶などを少量飲ませて下さい。
ミルクと薬を混ぜると、ミルクの味が変わり、ミルク嫌いの原因になるため要注意!!


哺乳ビンが使えない赤ちゃんは、1回にたくさんの薬を口に入れない事がポイントです。お子さんは大人と違ってツバをためてペッと吐くことは余りありません。そこで、スポイトなら3~4滴、小スプーンなら3分の1位の量を口の奥の方に入れます。そのまま待っていれば唾液と一緒に飲み込んでしまいます。飲み込んでから、また残りのお薬を飲ませて下さい。
粉薬の場合は、少量の水かぬるま湯で粉薬を、ペースト状に練って、上あごや頬の粘膜(味を感じない舌以外の所)にお薬をぬりつけ、すぐに、白湯(さゆ)やミルクをお飲ませ下さい。
与える時間帯は、ミルクの前後どちらでもかまいませんが、お薬を飲ませる前後30分くらいは哺乳は控えましょう。ミルクでお腹がいっぱいになっている時に服薬すると、お薬とミルクが混ざったものを吐きやすいものです。赤ちゃんは哺乳後のゲップ(排気)のために少量のミルクを吐くことが良くあります。これは病気ではなく、溢乳(いつにゅう)と呼ばれます。

 

幼児の場合は

シロップ 剤は、そのまま直接与えます(スポイドは毎回洗ってください)。
粉薬 は、なるべく他のものに混ぜないでそのままお水や湯ざましで飲む習慣をつけましょう。嫌がるときはお薬に、次のものを混ぜてもかまいません。

混ぜる場合の注意

  • 牛乳アレルギーがなければ、コンデンスミルク(練乳)や、チョコレートクリームを小鉢に少量だして、粉薬とよく混ぜてから飲ませて下さい。アイスクリームや牛乳、ヨーグルトなどでも、苦味がやわらぎ飲みやすいようです。ただし、赤ちゃんにハチミツを与えると、乳児ボツリヌス症という病気にかかることがあるので、3歳くらいまでは薬にハチミツを混ぜてはいけません。


  • 漢方薬メーカー「小太郎」のチョコゼリー
    お薬の味やニオイを包み込んで飲みやすくできる、すっきり甘いチョコ味のオブラートです。楽にお薬が飲めます。水または白湯(さゆ)でとろみをつけて、熱湯でゼリー状にして、お好みにより色々な飲み方ができます。お子様におすすめです。


    マクロライド系抗生物質(クラリス、ジスロマックなど)は、苦みが強いのが特徴です。そこで、お子さんが服用しやすいように、マクロライド系抗生物質は、甘い成分でコーティングされています。コーティングは胃酸に触れることでがはがれ、薬の成分が出てくるように工夫されています。コーティングされたお薬をそのまま飲めれば、甘く感じますが、口の中に長く残った場合や、水に溶いて時間がたった場合はコーティングがはずれて苦くなります。また、酸性のものに触れるとすぐにコーティングがはずれてしまうので、イオン飲料や、ジュースには混ぜないで下さい。混ぜるとすぐに苦くなります

 

ぬり薬のぬりかた

病巣が小さい場合は、軟膏を指先に少量とり、病変部にまんべんなく薄くのばすように塗布して下さい。
病変部が大きい場合は、軟膏を手のひらにとり、手のひらに薄くのばし、手のひらで病変部をなでるように軟膏をぬって下さい。
いずれも、力をいれずに皮膚の「きめ」にそってのばします。1日に2~3回ぬるのが原則です。朝は服を着替える時に、夜はお風呂上りにぬってあげるのがいいでしょう。

 

坐薬の使い方

坐薬は冷蔵庫で保存しておきます(保存期間の目安は1年です)。
カットする場合は中身を出す前に、はさみ等でカバーごと切ります。
先を溶かしたり、肛門や坐薬の先にオリーブ油やベビーオイルなどをぬると無理なく入れることができます。
入れた後の排便で、坐薬がそのままの形状で出てきた場合は、もう一度入れ直してかまいません。坐薬が溶けて形が無い場合は、体の中で、薬の成分は吸収されているので入れ直さずに様子をみましょう。

 

その他のお薬の基礎知識

  • 用法、用量は守る事
    薬の量はお子さんの年令や体重に合わせて処方されています。飲み間違いのないようにしましょう。
  • 空腹時にのませる事
    乳幼児の薬は食前に与えても胃を悪くする事はありません。むしろ空腹の時の方が嫌がらずに飲むようです。
  • 1日3回飲む薬を、幼稚園に通っていてお昼飲めない時は
    幼稚園から帰宅して、昼食後の分を飲んで、夕食後の分を寝る前に飲んでください。
    薬の飲む間隔は最低4~5時間ぐらいはあけてください。
  • 薬を吐いてしまった時の注意点
    服薬してすぐ吐いてしまった場合や、明らかにお薬が出てしまった場合は、もう一度同じ量のお薬をを飲ませてもかまいません。ただし、吐いた後は30分くらい休憩してからお薬を飲ませて下さい。服薬して30分以上たってから嘔吐した場合は、お薬が吸収されていると考え、再投与しない方がよいでしょう
  • 熱さましの坐薬の使い方
    体温が38.5℃以上を目安にするといいでしょう。
    「熱がでる」というのは、体が悪い菌と戦っている防御反応なので、熱が高くてもお子様が元気であれば、無理に熱を下げる必要は無いでしょう。もしも、38℃ぐらいであっても、子供さんがぐったりしていたら、使用してあげてください。
  • 手の届くところに置かない事
    甘いシロップのお薬などは、知らないうちに、多量に飲んでしまう事もあるので、お子さんの手の届かないところに置いて下さい。また、大人の薬も、錠剤などを飲んでしまう事故もあります。こんな時はすぐに病院に連絡して指示を仰いで下さい。
  • 飲ませる努力も必要
    お薬は飲む必要があると言う事を、お話して下さい(何歳であっても、です)。親の真剣な態度をみて、子供も納得し、飲んでくれるものです。「飲んでくれない」は、禁句です!




参考資料:東京都立瀬峰小児病院ホームページ、小泉重田小児科ホームページ