胃がんリスク検診 (ABC検診) について

胃がんリスク検診とは、血液検査でヘリコバクター・ピロリ菌抗体とペプシノーゲンを調べて、胃がんになる危険度を判定するものです。
近年、胃がんとピロリ菌感染の関係が解明され、胃がんの多くはピロリ菌感染者から発生することがわかってきました。
ピロリ菌は5~6歳の頃に感染して、胃の粘膜に住み続けて、慢性萎縮性胃炎を起こし、このた荒廃した胃から胃がんの多くが発生します。ペプシノーゲンとは胃の消化酵素であるペプシンの元になるものですが、この値を測ることにより、胃粘膜の健康度を知ることができます。胃がんリスク検診では、これら両者の検査結果から、胃がんになる危険度をA、B、C、Dの4群に分けて判定します。そして、この危険度に応じて、精密検査(内視鏡検査)を受けていただきます。

A群
ピロリ菌抗体 (一) ペプシノーゲン (一)
ピロリ菌に感染したことがなく、胃粘膜も健常と思われます。
この群から胃がんが発生することはほとんどないと考えられます。従って、精密検査の対象から除きます。ピロリ菌とは関係のない胃の悪性腫瘍もゼロではないため、内視鏡検査を5年に1回という意見もあります。
B群
ピロリ菌抗体 (十) ペプシノーゲン (一)
ピロリ菌に感染していますが、胃粘膜はあまり荒廃していません。
この群からは年間1,000人に1人、10年では100人に1人程度胃がんが発生すると考えられています。3年に1回の精密検査をお勧めします。
C群
ピロリ菌抗体 (十) ペプシノーゲン (十)
ピロリ菌に感染しており、胃粘膜の荒廃が進んでいます。
この群からは年間400人に1人、10年間では40人に1人程度胃がんが発生すると考えられます。2年に1回の精密検査をお勧めします。
D群
ピロリ菌抗体 (一) ペプシノーゲン (十)
かつてピロリ菌に感染していたが、現在は胃粘膜がピロリ菌すら住めないほど荒廃しきっていると思われます。
この群からは年間80人に1人、10年間では8人に1人胃がんが発生すると考えられます。毎年の精密検査をお勧めします。

ピロリ菌の除菌を受けて、成功した人はB群と同じ扱いになります。

現在、多くの自治体・職場では40歳以上の人に毎年レントゲン検査による胃がん検診を行っています。胃がんリスク検診でA群と判定された人は毎年の胃レントゲン検査を受ける必要がなく、無用な放射線被曝を避けることができます。B郡、C群と判定された人はピロリ菌の除菌をして、胃がんになる危険度を減じることができます。そして、皆さんが、御自身の胃がんになる危険度を知ることにより、胃がんを効率よく発見することができます。

この検診は毎年受ける必要はありません。5年に1回受けるようお勧めします。

胃がんリスク検診 (ABC検診) については、こちらをクリック画像の説明日本健康増進財団