糖尿病関係

糖尿病とは

インスリンの作用不足により慢性的に血糖の高い状態をきたす病気です。

インスリンとは、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞で作られて、血液中に分泌されるホルモンです。分泌後は肝臓を経て筋肉・脂肪組織などに作用して、血液中のブドウ糖を細胞内に取り込み、エネルギーの利用や貯蔵などを行い、血糖を低下させます。

このインスリン分泌の低下や、肝臓、筋肉、脂肪組織などにおける作用が低下すると、血糖値が上昇し、糖尿病に至ります。

糖尿病を疑う症状

糖尿病は、初期の場合、症状がないことが多いです。そのため、進行してから発見されることが多い病気です。進行した場合(多くは血糖値が300 mg/dl以上)になれば、下記の症状が出現します。

1.のどが渇いて、水、ジュースなどをたくさん飲む。尿量が多くなります(口渇、多飲、多尿)

高血糖になると、尿中に糖が排泄されます。糖は水分を引き込む作用があるため、多尿になります。そして、体内の水分量が不足するため口渇に至ります。

2.体重が減る

糖尿病は、血糖を体内に栄養として取り込むインスリンの分泌が不足する病気です。血中の糖を栄養として取り込めなくなり、数か月で10kg以上痩せることもあります。

3.疲れやすくなる

エネルギー不足と、体重減少により疲れを感じやすくなります。

糖尿病の診断

正常の場合、血糖値は70-140 mg/dlの間にコントロールされています。
10時間以上絶食した場合の血糖値(空腹時血糖)が126 mg/dl以上で、かつ食事に関係なく、随時に測定した血糖値が200 mg/dl以上の場合は糖尿病と診断されます。
また、グリコヘモグロビン(HbA1c:ブドウ糖と血液中のヘモグロビンが結合したもので、血糖値の過去1-2ヶ月の平均値を示す)が6.5 %以上、あるいは75gブドウ糖負荷試験の2時間後の値が200 mg/dl以上の場合も、上記のいずれかが当てはまれば糖尿病と診断します。

糖尿病の分類

1型糖尿病

インスリンを作る膵β細胞が破壊され、通常はインスリンがほとんど分泌されなくなる病気です。多くは、小児期に発症しますが、20歳代等の若年層から高齢者でも発症することがあります。
原因は、膵β細胞に対する抗体が産生される自己免疫性と、原因不明の特発性に分かれます。
膵β細胞に対する抗体である、抗GAD抗体を測定して鑑別します。
また、インスリン分泌能を調べる方法として、インスリンと同時に膵臓のβ細胞から分泌される血液中のC-ペプチドを測定しています。血中循環後、腎臓で代謝されますが、一部は代謝されずに尿中に排泄されます。したがって、腎機能低下した方の場合、比較的高値となるため、評価時には注意が必要です。

2型糖尿病

糖尿病全体の約95%を占める一般的な糖尿病で、インスリンの分泌不足と作用不全により発症し、多くは遺伝的素因(祖父母、両親、兄弟が糖尿病など)が原因で、そこに生活習慣の乱れ(過食、運動不足、ストレスなど)を伴って発症することが多いです。

糖尿病の合併症

ものと、ゆっくり進行するものがあります。

急性合併症(急激に起こる)

急激に発症する場合は、急激に高血糖になり、上記の糖尿病の症状や、脱水症状、腹痛などが急激に起こり、ひどい場合には意識が消失することもあります。
1型糖尿病の初期には、このような状態になることがありますし、清涼飲料水やスポーツドリンクの多量摂取(ペットボトル症候群という)により起こる場合もあります。生命に危機を及ぼす場合もありますので、早期の医療機関への受診が必要です。
また、血糖値が70 mg/dl未満になる低血糖の場合は、動悸、冷や汗、めまい、手の震えなどの症状が起こり、ひどい場合には意識がなくなります。糖尿病の薬による治療中や、初期の糖尿病の患者さんに見られることが多いです。

慢性合併症(ゆっくり進行する)

ゆっくり進行する合併症としては、細い血管が障害されて起こる細小血管症です。
一つ目は神経障害です。手足の細い神経がまず冒され、手足のしびれや痛みが起こります。両足から起こるのが特徴です。

また近年、アルツハイマー型認知症の発症に関連することもわかってきました。

二つ目は網膜症です。眼に映った風景を受けて、脳に伝える役目をするのが網膜です。糖尿病が進行した場合、網膜の出血や血流の閉塞、網膜の剥離が起こり、最終的には失明に至ります。糖尿病は成人の失明原因疾患の第2位です。そのため、糖尿病の患者さんは、定期的に眼科受診をすることが必要です。

当院では、糖尿病の患者さんには、必ず眼科受診をお勧めし、必要があれば紹介状をお渡しします。
三つ目は腎症です。最初は尿に蛋白が出るだけですが、次第に尿量が減少し、全身にむくみが出現し、最終的には血液透析が必要になります。透析に至る原因疾患の第1位は糖尿病です。

腎症にならないためには、血糖コントロールのみでなく、血圧や血中コレステロールを正常に保つことが大切です。早期の腎症を発見するために尿中アルブミン量を測定をします。

その他、太い血管が障害されると、脳や心臓に影響し、脳梗塞や狭心症・心筋梗塞など死に至る重症な合併症が起こります。また、皮膚、爪、骨、歯肉、胃腸、膀胱、性器など、全身の様々な部分にも障害が起こる可能性がありますし、肝癌、膵臓癌、大腸癌などの悪性腫瘍の発症との関連が指摘されています。

http://clinic.tosaki.jp/diabetes.html

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